用  語 説  明
一年草(いちねんそう) 一年生草本ともいう。生活史を一年で終える一年生植物のうち、通常は春に種子から発芽して夏から秋に開花結実し、冬までに根まで完全に枯れて種子を残す植物をさし、越冬した後に開花し、生活史を終える越年草と区別して用いる。
羽状複葉(うじょうふくよう) 小葉が葉軸の両側に羽状に並んだ葉。頂小葉を欠くときは偶数羽状複葉となるが、多くは頂小葉を有する奇数羽状複葉である。
液果(えきか) 熟すと中果皮内果皮に多量の水分を含み、柔らかくなる果実。例:トマト、カキ、ブドウ。乾果の対語としても用いられる。
円錐花序(えんすいかじょ) 複総状花序ともいう。花序の枝が分岐し、最終の軸に総状に花をつけるもの。
おしべ 花の中にある雄性の生殖器官。細長い糸状の花糸と、その先にあって花粉を入れているとからなる。
雄花(おばな) 単性花(たんせいか)
外花被(がいかひ) 内花被に対する語。花被のうちがくに相当するものを言う。
開出(かいしゅつ) 主軸から枝が分かれてでるときや、茎の面に毛が生えているとき、広い角度ででていること。
蕚(がく) 花弁の外側につくもの。その一枚一枚を蕚片という。
蕚筒(がくとう) 合弁がくにおいて、下部の合着して筒になった部分をいう。
蕚片(がくへん)
花冠(かかん) ひとつの花を構成する花弁全体(内花被;ないかひ)をまとめた呼び方。花弁が一枚一枚離れているものを離弁花冠、合着しているものを合弁花冠という。
果実(かじつ) 実のこと。袋果、痩果、穎果など乾いた果実は乾果、石果や液果など水分の多い果実は多肉果ともいう。
花糸(かし) おしべの葯(やく)を支える柄の部分で多くは細長い棒状や糸状をしている。
花軸(かじく) ①花序の中心となる茎(花序軸)これから花柄がでる。
②花の中心となる軸。がく、花冠、おしべ、めしべをつける茎のこと。花床と同義。
花序(かじょ) 1.花のつき方。種類ごとにきまっている。
2.花のついている枝全体の総称。
花床(かしょう) 花托ともいう。花柄の先端で、がく・花冠・おしべ・めしべなどをつけて少し肥大しているところ。
花穂(かすい) 花序(かじょ)。中でも一本の軸に多数の花が密に付いて穂状に見えるものをさすことが多い
花托(かたく) 花床
花柱(かちゅう) めしべの子房柱頭との間の部分。
花盤(かばん) 花托の一部が肥大し、盤状になったもの。
花被(かひ) がくと花冠の総称。通常2輪に並んでおり、外側のものをがくまたは外花被、内側のものを花冠または内花被という。同質で区別できないとき両者を合わせて花被と呼ぶ。
花被片(かひへん) 花被の一枚一枚の裂片をいう。
花柄(かへい) 花序における最終の枝。個々の花をつけている柄をいう。
仮雄蕊(かゆうずい) 仮おしべ
仮おしべ 仮雄ずい。雄しべが退化して小形化したり変形したりして機能を失ったものをいう。
乾果(かんか) 成熟すると水分を失って乾燥する果実の総称。乾いて裂けるののを裂開果、裂けないものを閉果という。
奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう) 羽状複葉
距(きょ) がくや花弁の一部が中空で細長く突出したもの。蜜をためる。
旗弁(きべん) マメ科植物に特有の花冠は、蝶形花冠ちょうけいかかんと呼ばれるが、上部にある大形の1枚を旗弁きべんと言う。他の弁は、両側の1対を翼弁よくべん、下部にあり2枚が寄り合って舟形となったものを舟弁または竜骨弁りゅうこつべんと言う。
鋸歯(きょし) 葉の縁などにあるギザギザの凹凸のことで、その先端がすべて前方に傾くものをいう。
菌根植物(きんこんしょくぶつ) 菌類と共生する根を持つ植物。例:ギンリョウソウ、タシロラン。
偶数羽状複葉(ぐうすううじょうふくよう) 羽状複葉
舷部(げんぶ) ① サオイモ科植物の仏炎苞の上半部分で葉序に広がった部分をいう。
合弁花(ごうべんか) 花弁どうしが合着している花冠
合弁がく(蕚) 離弁がくに対する語。がく片の下部が互いに合着しているがくをいう。
互生(ごせい) 1.葉が茎の各節から1枚ずつでていること。
2.花において、がくと花弁、花弁と雄しべが重なりあわないように交互に間にくるように位置していること。
根生葉(こんせいよう) 根出葉(こんしつよう)ともいう。タンポポ、オオバコのような根もとから出ている葉のこと。
高木(こうぼく) 丈の高くなる木のこと。高さに厳密な基準はないが、およそ3m以上になり、明瞭な主幹が立つもの。高さ6~7m以下のものを亜高木と呼ぶこともある。
栽植(さいしょく) 植物を植えつけること。
蒴果(さくか) 熟すと果皮が裂開する果実。 さくともいう。2枚以上の心皮が合成した果実で、成熟すると乾き、各室ごとに縦列して種子を散らす果実。
散形(さんけい) 主軸の頂部からほぼ長さの等しい柄をつけた果実、花などを放射状につけた形。
散房花序(さんぼうかじょ) 総状花序の変形。花柄に多数の花がつき、花柄が下部の花ほど長く、そのため花序の上部がほぼ平らになっているもの。
散房状(さんぼうじょう) 主軸に対し下部ほど長い柄をつけた果実、花などが下部から順次つき、上部がほぼ平らになる状態。
三出複葉(さんしゅつふくよう) 三出掌状複葉のこと。葉柄の先端から三個の小葉が放射状に出ている複葉のこと。
子房(しぼう) 雌しべの下部のふくらんだ部分。1~数個の心皮(しんぴ)が結合したもので、1~数個の部屋からなる。この部屋を子房室といい、1~多数の胚珠(はいしゅ)を入れている。
雌雄異株(しゆういしゅ) 雄花と雌花など、雄性と雌性の生殖器官が別々の個体に生ずること。
重きょ(鋸)歯(じゅうきょし) 複鋸歯・二重鋸歯ともいう。葉縁の鋸歯に大小があり、大きい鋸歯の縁に小さい鋸歯があって二重に組み合わせっていること。
集散花序(しゅうさんかじょ) 花序の上位の花から開きはじめ、しだいに側枝の花が開くもの。最初の軸の頂端は花で終わり、つぎにその横からでた枝の先もまた花で終わり、これを繰り返す花序。
宿存(しゅくぞん)  葉などの器官がすぐに脱落せずに残っていること。例えば、がくは果実期には脱落するものが多いが、カキ・ナス・ホオズキなどのがくは花後も落ちないで残存する。このような現象をいう。 
掌状複葉(しょうじょうふくよう) 葉柄の先端から数個の小葉が放射状にでている複葉のこと。小葉の数により3出掌状複葉、5出掌状複葉、多出掌状複葉という。
小穂(しょうすい) イネ科の花序を形成する単位。2枚の包頴(ほうえい)に包まれた1~数個の小花からなる。イネやカゼクサでは多数の小穂が集まって円錐形の複合化序をつくる。
小葉(しょうよう) 複葉を作っている1枚1枚の葉片を言う。
心形(しんけい) 心臓形
唇形花(しんけいか) 合弁花冠の一種で、花冠の先が上下に分かれた形をしている。シソ科などに見られる。
心臓形(しんぞうけい) 心形ともいう。葉の形を表す用語。”ハート形”のこと。また葉の基部を表すにも用いられる。
心皮(しんぴ) 花の各要素は葉の変形と考えられ、雌しべを構成する葉を心皮という。
穂状花序(すいじょうかじょ) 細長い花軸に花柄のない花が多数つき、下部の花から順に上へ開いていく花序。花に柄のない点が総状花序との違い。
スプリング・エフェメラル (Spring ephemeral) 春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花のこと。春先に花を咲かせ、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養素を蓄え、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごす、という生活史を持つ植物が、落葉樹林の林床にはいくつもあり、そのためそのような森林の林床は、春先にとてもにぎやかになる。このような一群の植物を春植物、スプリング・エフェメラルという。
星状毛(せいじょうもう) 一箇所から多方向に分岐して放射状になる毛。
舌状花(ぜつじょうか) 合弁花の一種。舌状花冠をもった花をいう。
舌状花冠(ぜつじょうかかん) 花弁が合着し、一方に伸びて舌状になった花冠。キク科に特有のもの。
腺体(せんたい) 外分泌腺の腺細胞が集まっている部分。
腺点(せんてん) 葉の裏などにあるごく小さな分泌腺をいう。
腺毛(せんもう) 分泌物を出す作用のある毛のこと。花の蜜腺の毛や食虫植物の消化液を出す毛など。
そう果(そうか) 熟すと果皮が乾燥するが、裂開しない果実。例:キツネノボタン、センニンソウ、イラクサ、タンポポ。
走出枝(そうしゅつし) 地表や浅い地中を水平にのびて、栄養繁殖する茎のことで、ストロン、匍匐枝(ほふくし)、ランナーともいう。
総状(そうじょう) 主軸に対し有柄の果実、花などを下部から順次つけた状態。
総状花序(そうじょうかじょ) 細長い花軸に花柄のある花が多数つく花序。個々の花に柄のあることが穂状花序とちがう。
装飾花(そうしょくか) 大形で美しく、昆虫への目印になる花をいう。ガクアジサイ、ヤブデマリなどの花序の周囲にある大形の花。中性花である。
叢生(そうせい) 束生のこと。
総苞(そうほう) 花序を包む、多数の鱗片状の葉のこと。個々の鱗片を総苞片と呼ぶ。
早落(そうらく)  宿存の対語。ケシのがくやブドウの花弁は開花と同時に脱落し、サクラやクワの托葉は若葉のうちに落ちる。このような現象をいう。 
側小葉(そくしょうよう)
束生(そくせい) 叢生(そうせい)ともいう。ススキ、ハギ、パマブキなどのように株立ちになることをさす。枝や茎の節間が非常にみじかくなり、茎の一部から数枚~多数の葉が束のようにでているように見えることから。
対生(たいせい) 1.葉が茎の各節から2枚ずつ互いに向き合っていること。
2.花において、花弁と雄しべが重なった位置にあること。例:オカトラノオは花冠の裂片と雄しべが対生している。
托葉(たくよう) 葉柄の基部にある葉の付属体。葉状・突起状・刺状・巻きひげ・鞘状など、変化が多い。
多年草(たねんそう) 2年以上生き続ける草のこと。冬に地上部は枯れるが、地下部は生存して春になると芽を出して生育し、これを2年以上繰り返す。園芸植物では宿根草とよばれることが多い。
単生(たんせい) 花が茎先や葉の脇などに、単独でつくことを言う。
単性花(たんせいか) がく・花冠の有無にかかわらず、1花中におしべ、またはめしべのいずれか一方しか持たない花のこと。
中性花(ちゅうせいか) 一花中の雄しべと雌しべがともに退化して結実しなくなった花をいう。
中果皮(ちゅうかひ) 果皮の中層。モモを例にとれば食用の部分、ナツミカンでは「皮」としてむくところの白い綿状の部分
柱頭(ちゅうとう) めしべの先端をいう。受粉の際、花粉のつくところ。粘液を分泌したり、羽状に分裂したりして花粉をうけやすくなっている。
蝶形花冠(ちょうけいかかん) マメ科植物に特有の花冠。上部にある大形の1枚を旗弁、両側の1対を翼弁、下側にあり2枚が寄り合って舟形となったものを舟弁または竜骨弁という。
低木(ていぼく) もと潅木(かんぼく)といった。高木に対する語。たけの低い木。高さが1m以下のものを小低木とよぶことがある。
点頭(てんとう) 花・果実などが斜め下または下を向いていること。うなだれていること。
頭花(とうか)、あるいは頭状花、頭状花序 キク科の花など、1個の花のように見える花序で、頭状花、頭状花序ともいう。花序の軸先に花柄のない小さな花が多数つき、その周囲を総苞が囲んでいる。
筒状花(とうじょうか) あるいは管状花(かんじょうか) 管状花ともいう。花が合着して筒状になったもの。ふつうキク科の頭状花序にあるものをいう。アザミの類やタムラソウでは花序全体が筒状花の集まりである。
鈍鋸歯(どんきょし) 葉縁のぎざぎざの先の鈍いもの。
内花蓋(ないかがい) 内花被
内花被(ないかひ) 外花被にたいする語。内花蓋(ないかがい)とも言う。花被のうち花冠に相当するもの。
内果皮(ないかひ) 果皮の3層のうち最内層。モモを例にとれば俗に言う「種」、カキでは種子を包むゼリー状の部分、バナナでは食用部、ミカンでは10個内外入っている俗に言う「袋」の部分。
2回羽状複葉(にかいうじょうふくよう) 再羽状複葉ともいう。羽状複葉の葉軸が羽状に分枝し、その両側に小葉をつけている葉。2回羽状複葉の葉軸がさらにもう一回分かれたものを3回羽状複葉という。
肉芽(にくが) 胚芽(はいが)ともいう。腋芽に多量の養分を蓄えて肥大し、肉質塊状になった芽。葉は退化している。母体から離れて地に落ち、発芽して新個体をつくる。
肉穂花序(にくすいかじょ) 花軸が太い肉質となり、その周囲に花柄のない小さな花が多数密生している花序。テンナンショウ、ミズバショウなど。
2年草(にねんそう) 発芽して生長し、開花・結実したのちに枯れ死するまでの一生を1年以上2年以内で終える植物。
2年草(にねんそう) 発芽して生長し、開花・結実したのちに枯れ死するまでの一生を1年以上2年以内で終える植物。
芒(のぎ) イネ科の花を構成する護えいや包えいの先端から発する長い剛毛状の突起物。
胚珠(はいしゅ) 子房の中にある小さな粒状のふくらみ。受精後は生長して種子となるもの。
被子植物(ひししょくぶつ) 種子植物の中の一分類群。裸子植物と対立する。多くは花に花被があり、心皮は子房を作り、胚珠はその中に包まれる。したがって種子は果実の中に包まれる。双子葉類と単子葉類の2群に分けられる。
尾状花序(びじょうかじょ) 穂状花序の一種。細長い花軸に無柄の単生花が多数つき、尾状にたれさがるもの。雄花序は基部から花軸ごと脱落する。
被針形(ひしんけい) 皮針形とも書く。葉や花弁などの形を表す用語。細長くて両端がとがり、中央より下部に一番幅の広いところがある形。
左巻き・右巻き(ひだりまき・みぎまき) 植物のつるの巻き方の向きを表現する仕方は世界的にも統一されていない。以前は支柱を真上から見て、反時計回りにつるが巻くことを左巻きと呼んだが、近年は根元から見て反時計回りを左巻きとすることが多い。
副花冠(ふくかかん) 花冠内に生じた花冠状の突起のこと。スイセンの花はわかりやすい例のひとつ。
複散形花序(ふくさんけいかじょ) 散形花序の花軸が頂端で放射状に多数分岐して、ほぼ同じ長さをもつ多数の花をつけるもの。セリ科の特徴。
仏炎苞(ぶつえんほう) マムシグサ、ミズバショウなどの、肉穂花序を包むラッパ状の総苞をいう。
閉果(へいか) 乾果の一種。熟せば水分を失うが、炸裂しない果実をいう。
閉鎖花(へいさか) つぼみのままで開かずに自家受精して結実する花。
苞(ほう) / 苞葉(ほうよう) 花序の部分にある葉の変形したもの。
苞(ほう)えい / 苞穎(ほうえい) イネ科の小穂の基部にある総苞をいう。
匍匐枝(ほふくし) 走出枝・伏枝ともいう。地上部の基部から出て地上を横走する細い茎。
蜜腺体(みつせんたい) 蜜腺みつせんとは蜜を分泌する器官あるいは組織。明瞭な突起となっている場合には腺体というが、蜜以外の物質を有する腺体もあるので、特に蜜腺体という。
むかご 肉芽(にくが)の通俗的なよび名。
めしべ 花の中にある雌性の生殖器官。花の中心に位置し、1~多数の心皮からなる。被子植物では通常子房・花柱・柱頭の3部を区別する。
雌花(めばな) 単性花(たんせいか)
葯(やく) 花粉袋ともいう。雄しべの先端にある袋で、花粉をつくり、これを入れている。
雄蕊(ゆうずい) おしべ
葉腋(ようえき) 葉の付け根の内側。
葉鞘(ようしょう) 葉の基部が茎を包むように鞘(さや)状になったもの。
葉身(ようしん) 葉片ともいう。葉の平たい部分。
葉柄(ようへい) 葉身と茎との間の細い部分。葉身を支え、また茎と葉身との間の水や養分の通路となる。
葉片(ようへん) 葉身
卵形(らんけい) 葉・がく片・花弁・果実・種子などの形を表す用語。ニワトリの卵の縦断面のような形。中央より下部に一番幅の広い部分がある。
離弁花(りべんか) それぞれの花弁が分離し独立した花冠。合弁花の対語。
稜(りょう) とがったところ、物のかど。
両性花(りょうせいか) 一花中に雄しべと雌しべの両性をそなえた花をいう。
輪生(りんせい) 葉が茎の各節から3枚以上でていること。
鱗片(りんぺん) サクラ・ツバキなどの冬芽を覆っているうろこ状の小片、または花序にある小形の苞など葉が変形してうろこ状になったものをいう。
鱗片状(りんぺんじょう) 葉が退化して板状のうろこのようになった状態。
裂開果(れっかいか) 乾果の一種。成熟すると乾いて裂ける果実をいう。
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